歯科医院で呼吸のことを話すのはなぜ?
鼻呼吸
愛歯科医院では月に1・2度、スタッフミーティングを行っています。
その中で行っているのが、「グッドアンドニュー」です。
グッドアンドニューとは、ここ最近の、楽しかったこと・嬉しかったこと・新しい発見などを一人ずつ発表しあうというものです。
患者さんからいただいた喜びの言葉が紹介されたり、あるいはそのスタッフの意外な一面が分かったりなど、いい時間になります。
今日のスタッフミーティングで、あるスタッフが呼吸のことを新しい発見として語ってくれました。
曰く、「ここで働き出してから、鼻呼吸が大事だということをいつも聞いていて、自分でも意識していた。さいきん鼻風邪で鼻が詰まっているが、それでも以前と比べて、鼻で呼吸ができている」とのことでした。
愛歯科医院では呼吸のことを患者さんにお伝えする機会も多いものです。そのため、スタッフ一同で、鼻呼吸・口呼吸のことについても学んでいます。
始業前の朝礼では、「あいうべ体操」を全員で行ったりもしています。
なぜ、歯科で呼吸のことをとりあげるのでしょうか?
耳鼻咽喉科の領域ではないかと思われるかもしれませんね。
口で呼吸する動物はいません。人間だけが、口でも呼吸できるようになった、とは以前の投稿でも書きました。
口で呼吸することは生物学的に正しくないので、その弊害は歯科疾患としてよく現れます。
口が乾燥することで、歯ぐきの炎症(歯肉炎・歯周炎)が起きやすくなりますし、むし歯のリスクも高まります。
前歯に着色がついてしまうこともあります。口臭も起きやすくなります。
歯並びも悪くなります。
全身的にも、風邪を引きやすいなどの免疫力の低下が見られます。
集中力や思考力も低下するとも聞いたことがあります。
このように、メリットがなくデメリットばかりなのが、口呼吸です。
私が愛読する書籍のうちの一つに、「Muscle Wins!の矯正歯科臨床」というのがあります。
その中には、「鼻呼吸は、咬合の改善と術後の安定の鍵である」という節があります。
予防においても、治療においても、呼吸の問題を抜きにしていては、歯科診療は成り立たないのではないかと私は考えています。
いかに削るか、いかに詰めるかなどの治療技術ももちろん大事なのですが、それと同様に、今後とも呼吸や筋肉にも着目していきたいと思います。
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